鬼ヶ城山系をランブリング
滑床渓谷
日本最後の清流とも形容される「四万十川」、その数ある支流のひとつである目黒川が貫いている渓谷です。
滑床渓谷は、日本300名山の三本杭を初め1,000m級の山々が連なる鬼ヶ城山系にその源を発し、延長12kmにわたる渓谷美、水源の森100選にもなった四季折々に美しく変化する森林美、稜線部まで足を延ばすと美しいリアス式海岸の宇和海や遠く九州まで一望できる展望美の三つの美が楽しめ、古来より景勝地として親しまれて来ました。
その昔、千畳敷では、宇和島の風流人が静寂な岩畳の上で日暮蝉の声を聞きながら、句会や茶会を 楽しんだそうです。当時は、石積みで氷室を作り、氷を使って涼をとっていたそうで、氷室跡が今も残っています。
氷室跡に似ていますが、同じように石積みをした円形の炭窯跡も渓谷には点在しており、当時の主生産品である炭産業の賑わいを伺い知ることもできます。
昭和32年、この景勝地「滑床渓谷」を活かしたまちづくりが始まりました。自然保護を最優先に、住民の休養の場、若者の健全育成の場として活用することを基本理念に掲げ、町営の「ユースホステル万年荘」(現在の滑床アウトドアセンター)を建設し、キャンパーや若者を中心に自然に癒しを求める多くの人で賑わうスポットとなりました。
以来、滑床渓谷は営利観光ではなく公益観光で行こうという一貫した方針で経営が続けられ、昭和63年に滑床山岳レクリエーション整備事業により、引き続き自然保護を最重点課題に置き、必要最小限の施設整備による利便性の確保、宿泊機能を充実させ滞在型観光へ移行することによる地域経済への波及が目指され、遊歩道や公衆トイレ、宿泊施設などを一体的に整備し、平成3年には、その中核施設である「森の国ホテル」が完成しました。 一方で、滑床渓谷へのアクセス道路について、利便確保の面で二車線改良の計画もありましたが、普通車が離合できる場所の確保と、大型車が最低限入れるだけの拡張工事にとどめるなど、滑床渓谷を俗化させず、自然保護を最優先とした観光開発が一貫して行われています。
2012年には、万年荘に滑床渓谷を訪れる人たちの為のビジターセンターとして「滑床アウトドアセンターを」が設置され、滑床渓谷の案内などを行っています。
滑床渓谷の玄関口には、赤い屋根と白い壁の洋風のホテル「森の国ホテル」が佇んでいます。当社の滑床ベースも、この雰囲気を壊さないように、赤い屋根に白い壁基調を踏襲しております。
また、滑床渓谷には、猿の群れが下りてくることがあります。渓谷内に常にいるわけではありませんが、観光シーズンなどになると、頻繁に山から下りてきます。猿は、観光客の食べ物を狙っておりますので、食べるものを持ち歩く際はご注意ください。ビニール袋なども中身に食べ物があると判断されて捕られます。また、お車を離れる際は、必ず窓を閉めてください。猿が車の中に入り込み、車上荒らしされます。
滑床渓谷を代表する景勝である雪輪の滝は、日本の滝100選に選ばれています。この滝は、渓谷の本流ではなく、渓谷に流れ込む支流の一つなのですが、花崗岩の1枚岩が続く姿は、全長が300メートルにも及びます。キャニオニングで滑るのは40メートルほどですが、その上部には、広い岩場があり、絶好の見晴らしになっています。かつては、ここで炭焼きをしている人が長期間滞留していたそうです。
滑床渓谷の森の国ホテルでは、ネイチャーガイドの久保田さんがいられます。滑床渓谷の自然を案内してもらいながら、より渓谷の自然を堪能してみるのはいかがですか?
以下のマップは、その際のマップです。
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